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佐賀県杵島郡白石町大字福吉2078-5
2021.10.14

近視について②(分類:そもそも、近視ってなに?)

こんにちは! 三根正です。
近視の予防・治療を考える上で、そもそも近視とはどういう状態かを解説します。

目はカメラに似た構造ですが、光を屈折させるレンズとなるのが角膜や水晶体、フィルムとなるのが網膜です。
角膜は眼球の表面にある透明なドーム状の膜で、光を大きく屈折させますが、形は決まっているため、ピントを調節する機能はありません。
生活の中では、水晶体の厚みを変化させて、遠くや近くにピントを合わせています。実際は近くにピントを合わせる力がほとんどで「調節」と呼ばれます。
(ちなみに、その調節力が弱まるのが、いわゆる「老眼」です)
近視とは「遠くから目に入った平行光線(遠くの景色など)のピントが合う位置が、網膜より前になっている状態」です。(近くのものは光線の角度が違うため、ピントが合います)
ピントの位置は、①レンズの屈折力の強さと、②レンズから網膜までの距離(眼軸長:がんじくちょう)、で決まるため、
近視の分類も、①レンズの屈折力が強すぎる(屈折性近視)と、②眼軸長が長くなってしまった(軸性近視)に分かれます。
ただ実際の近視では、初期だけは①の「手元ばかり見ていて、水晶体が厚く緊張したまま」の状態ですが、その後は②となって眼軸長が徐々に長くなり、特に学童期に進行していきます。
眼軸長が長くなると、眼球のカタチ自体が変化してしまい、二度と短くはならないため、後から根本的に治療する方法がありません。
(レーシック手術や有水晶体眼内レンズは、角膜や水晶体の屈折力を変化させて補っているに過ぎません。また、遠くの景色を見るトレーニングなどで視力回復を期待できるのは、初期の①の段階だけです。)

まとめとして、近視進行の予防を①、②の段階で考えた時、
特に幼児期~就学前に手元ばかりを見ない事、
②加えて、学童期は眼軸長の延長を最小限に抑える事
がとても重要となります。具体的なポイントを次回からお話させていただきます。